今日は愛車を駆り出し、熱海へ釣りに。趣味のサーフィンも好きだけど、だいぶ暖かくなったこの２月に、防波堤から竿を垂らして魚を待つ。ヒットするときもあれば、坊主の日もある。こればかりは、天候や魚の気分次第。普段の仕事ではパソコンとにらめっこの日々だけど、僕はこうして海と向き合うのは、性に合ってると思う。
熱海ではメジナやイワシ、たまにクロダイなどが釣れる。初心者でも安心の教室なんてのもあるので、僕みたいな独り者にも気兼ねなく居られる釣り場。親子連れやカップル、熟練の釣り師、女性でもシングルで来られる方もチラホラ居るので、なかなか賑わいがあるので気に入ってる釣り場のひとつ。
彼女と釣りに来るときもあるけど、考え事をしたい時には、一人で魚と格闘するのがいい。まあ、無心になっている時にこそ自分の真価が発揮されるというか、解放される感じが堪らなく面白い。朝から釣りを始めていると、食事も忘れてしまうなんてこともよくあること。最近はSNSにアップするなんて釣り人はよく見かけるし、実は彼女以外に交際している女性のひとりが、ここ熱海で知り合ったひとだ。
その彼女はこの熱海で住んでいる釣り好きの30代の女性で、僕と同じ独身だ。職業は看護師らしい。直接は聞いてないけど、何度か話しをするうちに職場の話しになり、夜勤もしているとのことだった。夜間明けに、「ひと釣りして晩御飯にするのが日課」と、笑いながら話してくる。人当たりの良さそうな優しい人柄と笑顔が素敵で、釣り場で出会う度に挨拶を交わす内に親しみを覚えていった。
熱海の彼女、奈央と知り合って半年、お互いに惹かれ合い一緒に食事をしたりドライブに誘ったりと楽しく過ごしていた。そんな時、奈央から「一緒に旅行に行きたいな」と言われ、僕には東京の彼女がいるとは話さずにプランを立て始めた。奈央は
東京ディズニーランドに行ったことがないから、泊まりがけで行ってみたいというので、すかさずスマホを駆使しアンバサダーホテルを予約。チケットも二日券を準備した。なかなかの出費となったが、奈央とのデートを楽しむ為なら惜しむまい。こんな事が出来るのも独身ならではの技。こうして準備は整い、いざディズニーランドへ。
楽しく過ごすハズのデートが、まさかの辞令がくる。新しいポジションと案件に取り組むようにと、土日返上し出勤とのお達しが上司からメールで届く。嬉しいやら悲しいやら、デートはやむなく延期となり、奈央と別れをつげ、東京へ魚を乗せて帰る僕の一日が終わる。
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